軽度知的障害・広汎性発達障害で障害基礎年金2級を遡及受給できた例

1 相談に来られた時の状況

この方は、幼少期から人とのコミュニケーションを取るのが苦手で、中学校までは一人ぼっちの事が多く、保健室に逃げ場を作っていました。就職してからも、意思疎通が苦手なため、色々注意・指摘され、徐々に仕事に行こうとすると生き苦しさや身体の痺れが出現し、一人では出勤出来なくなり、家族に職場まで送迎してもらいながら出勤していました。その後、抑うつ気分、不安、焦燥感、不眠等の抑うつ症状が出現し、心療内科を受診しました。家族に同行してもらい、通院しながら薬を処方してもらっていましたが、大量服用や自傷行為もあり、転院も繰り返しました。幼さもあり、IQ検査などを行った結果軽度知的障害の診断も受け、支援センターの紹介でB型事業所に通所しましたが、他人とコミュニケーションが取れず、パニックになる事が多く現在は通所出来なくなり、日常生活にも支障がある状況の中、支援センターの担当の方から当相談室に相談の電話があり、その後支援センターで面談となりました。

2 当相談室の見解

ご本人は、B型作業所に通所を始めましたが、スタッフとのコミュニケーションが上手く取れず、声をかけるだけで何度もパニックを起こし、現在は通所出来なくなり、日常生活においても全面的に親に頼っており、部屋に閉じ籠り、身の回りの事もほとんど出来ない状態でしたので、障害等級に該当する可能性が高いと判断しました。

3 サポート依頼を受けてから請求までにやったこと

(1)原因傷病である、広汎性発達障害の初診日を確定しましたが、軽度ですが知的障害があることが判明し、誕生日が初診日となる可能性もありました。
(2)診断書作成依頼にあたっては、広汎性発達障害であれば初診日から1年6か月後が障害認定日となりますが、本件の場合は誕生日の前後3カ月以内の受診はあるものの、発達障害の初診日から1年6か月後3カ月以内の受診がありません。しかし知的障害であれば、20歳時が障害認定日とされ、遡及請求が可能となりますので、知的障害の影響を診断書には記載いただき、20歳時を障害認定日として請求することにしました。
(3)ご本人の就労状況や日常生活を詳しくヒアリングし、自己申告書をまとめ診断書記載要綱などをセットにし、医師に診断書の依頼をしました。
(4)取り付けた診断書の内容を確認し、発病(出生時)から現在までの受診履歴や、就労状況等を時系列にまとめて病歴就労状況等申立書を作成し、請求手続きを行いました。

4 結果

障害認定日での遡及請求が認められ、障害基礎年金2級の認定通知を受け取る事が出来ました。

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