脳出血で障害厚生年金2級を受給できた例

1 相談に来られた時の状況

この方は2年位前に食卓で電話をしている時に急に倒れ、左手足が動かない状態だったので救急車を呼び検査したところ、右の脳被殻出血が認められ保存的治療を行いました。左上下肢麻痺や感覚障害が残り、約2週間のリハビリ治療となり、言語訓練や絵を描いたり、歩行訓練などを行いましたが、歩行は出来ず、車椅子移動で、左手は掴んだりする事も全く出来ませんでした。リハビリのため幾つかの病院を転院しリハビリを続けていましたが、自宅で杖を突いて歩行中にバランスを崩して転倒し腹部を痛め入院し、その後もリハビリを行いましたが、これ以上回復は望めず症状固定と診断されリハビリ終了しました。左上肢の拘縮のため左手は握ったままで、肩も上がらず、日常生活でも動作の多くの場面で介助が必要である為、当相談室に電話相談があり、その後面談しました。

2 当相談室の見解

左半身の麻痺により歩行に支障があり、外出時は車椅子を使っており、日常生活でも動作の多くの場面で介助が必要な状況で、障害等級に該当する可能性が高いと判断しましたが、初診日から1年6ヵ月が経過しておらず、症状固定と認められるかが、ポイントでした。

3 サポート依頼を受けてから請求までにやったこと

(1)原因傷病である脳出血の初診日を確定し、保険料要件の確認をしました。
(2)診断書作成依頼にあたり、症状固定日を確認し、現在は機能回復のリハビリは終了しており、再発予防の服薬と機能維持のためのリハビリを時々行っているだけの状況である旨を診断書に反映いただくよう医師に依頼しました。また、ご本人の日常生活を詳しく丁寧にヒアリングし、自己申告書をまとめました。
(3)上記の自己申告書と診断書記載要綱などをセットにし、医師に音声又は言語機能の診断書の依頼をしました。
(4)完成した診断書の内容を点検後、病歴や就労状況等を時系列にまとめて病歴就労状況等申立書を作成し、請求手続きを行いました。

4 結果

障害厚生年金2級の認定通知を受け取る事が出来ました。
脳梗塞等の脳血管障害の場合は、初診日より6カ月経過した日以降に医学的観点からそれ以上の機能回復がほとんど望めないとして、症状固定と認定された場合は、1年6カ月経過前でも請求可能な場合があります。

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