脊髄小脳変性症で障害厚生年金3級を遡及受給できた例
1 相談に来られた時の状況
この方は生まれてから大学生に至るまで特に身体に不自由を感じる事はなく、体育の授業や日常生活も普通に出来ていました。就職し、仕事にも支障はありませんでしたが、2年後くらいから足の踏ん張りが利かなかったり、ふらつきを感じたり、ろれつが回らない事もあったものの、日常生活や仕事に大きな支障はなかったため医療機関の受診はしませんでした。翌年、ふらつきが酷くなり、細かい動作なども難しくなったため神経内科を受診しましたが、明確な原因は分からず、2カ月に1回の通院をしましたが、仕事にも支障が出始め、精神的にも辛く、うつ状態となり休職しました。薬の処方を受けていましたが症状は改善せず、遺伝子検査を受けたところ、脊髄小脳変性症と診断されました。急速に症状が悪化し、復職困難となり退職しました。現在は麻痺の進行と筋力の低下によりほぼ車椅子の移動で介助が必要な状況で、支援センターの担当の方から当相談室に相談ありました。
2 当相談室の見解
麻痺の進行と筋力の低下により、杖歩行も不安定な状況でほぼ車椅子による移動で、一人での外出は困難で、食事も嚥下機能の低下により制限され、日常生活において介助が必要な状況が多くヘルパーさんの支援も受けており、障害等級に該当する可能性が高いと判断しました。
3 サポート依頼を受けてから請求までにやったこと
(1)原因傷病である、脊髄小脳変性症の初診日を確定しました。
(2)診断書作成依頼にあたり、ご本人の日常生活を詳しくヒアリングし、自己申告書をまとめました。
(3)障害認定日時点で歩行障害がありましたので、障害認定日(遡及)請求することにし、上記の自己申告書と診断書記載要綱などをセットにし、医師に診断書の依頼をしました。
(4)取り付けた診断書の内容を確認し、発病から現在までの受診履歴や、就労状況等を時系列にまとめて病歴就労状況等申立書を作成し、請求手続きを行いました。
4 結果
障害認定日(遡及)請求することにし、認定日3級、請求時(現在)1級の認定通知を受け取る事が出来ました。
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