指切断で障害厚生年金3級を遡及受給できた例

1 相談に来られた時の状況

この方は20年位前勤務作業中、電動のこぎりで左手の親指とひとさし指を切断。切断した指の吻合も出来る状態ではなく断端形成を行いました。2ヶ月後、左手親指再建のため左の拇趾を切断して左手に移植するも、血行不良で移植出来ず、植皮術を行い退院となりました。左拇趾も切断しており、歩行状態が悪く、仕事においては高所の作業などが出来ず、軽作業のみ行うように制限があり、日常生活においても不自由な生活を送られており、家族の方から当相談室に電話の相談があり、その後面談となりました。

2 当相談室の見解

上肢の障害の認定基準では、『一上肢のおや指とひとさし指を失ったもの』は3級となります。ただし、指を失ったものとは、親指については指節間関節、その他の指については近位指節間関節以上で欠くものとされていますので、どちらも根元に近い関節以上で切断している必要があります。この方の場合も、おや指もひとさし指も認定基準に該当するものと判断されましたが、受傷したのが20年ほど前のため、初診時の証明などができれば遡及して受給できるものと判断しました。

3 サポート依頼を受けてから請求までにやったこと

(1)20年前の受診でしたが、初診時の医療機関に確認したところ、初診時の証明は記載可能とのことで、初診日の確定は可能でした。
(2)労災事故であるため、労働局に確認しましたが、当時の記録は保存期間が5年となっており、何も存在しないことが判明しました。しかし、当時の医療機関の記録で、労災事故である旨の記載があり、労災事故であることの確認は可能と思われました。労災との調整もありますが、当時は最長で2年間でしたので、実質的には労災との調整はなされません。
(3)この方は転院されており、転院後の医療機関に診断書の記載を依頼したところ、入院記録しか残っていないため、詳細な内容までの記載はできないとのことでしたので、診断書の記載要領を作成し、特に重要となる切断部位の記載など、可能な範囲での記載を依頼しました。
(4)取り付けた診断書の内容を確認し、不備の訂正などの依頼をし、発病から現在までの受診履歴や、就労状況等を丁寧にお聴きし、時系列にまとめて病歴就労状況等申立書を作成し、請求手続きを行いました。

4 結果

障害厚生年金3級を遡及して受け取ることができました。

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