透析で特定の期間を初診日とし申立て、障害厚生年金2級を受給できた例

1 相談に来られた時の状況

この方は20年位前の会社の健診の血液検査で高血糖を指摘されましたが、自覚症状がなかったため受診しませんでした。以降の健診でもHbA1cの高値の指摘があり、HbA1cの数値が悪化したため、教育入院となりましたが、退院後も数値は改善せず、入退院を繰り返しました。数値はさらに悪化し、腎機能低下から心不全を起こし、腹膜透析を開始したため、障害年金の請求をしようとしましたが、治療開始から20年以上が経過しており、初診日の証明書を取得することが困難な状況であったため、当相談室に電話の相談があり、近くのファミリーレストランで面談を行いました。
この方は現在も就職中で、本人が仕事と人工透析をしながらの手続きは困難という事でサポートの依頼がありました。

2 当相談室の見解

障害厚生年金の場合、人工透析をされている方は2級に認定されます。この方も障害2級以上に該当しますが、初診の医療機関は既に廃院となっており、初診の証明(受診状況等証明書)を取得することができませんでした。しかし、その後受診した医療機関で、治療を開始したとされる年齢の記録が残されており、しかも、その年齢時から治療を受けた記録が残されている医療機関の初診日まで同一の年金制度に加入されており、初診日の日にちの特定はできませんが、ある一定期間に初診日が存在することは確実であり、その期間は同一の年金制度に加入していると判断できるため、当該期間の内治療を開始した年齢を初診日として申立てを行う事としました。

3 サポート依頼を受けてから請求までにやったこと

(1)初診の医療機関は廃院されているため、その後に受診した医療機関の受診状況等証明書や、勤務先の健康診断の記録、及び生命保険の請求記録など、初診日を証明できる裏付け資料となりそうなものを全て取り付けました。
(2)本人から治療経過や就労状況等を詳細にヒアリングし、取り付けた資料を複数組み合わせて、一定の期間内に初診日があることを証明できるように、初診日に関する申立書を作成しました。
(3)医師に診断書の依頼をしました。
(4)取り付けた診断書の内容を確認し、医師に記載漏れなどの訂正を依頼し、発病から現在までの受診履歴や、就労状況等を時系列にまとめて病歴就労状況等申立書を作成し、請求手続きを行いました。

4 結果

申立ての初診日が認められ、障害厚生年金2級の認定通知を受け取る事が出来ました。
初診日が確定できなくても、ある一定期間内に初診日が存在することが証明できれば、請求人の申立て初診日が初診日と認定される場合がありますので、初診日がはっきりしない場合でも、諦めずにご相談ください。

また、人工透析の場合1年6カ月を待たずに、透析開始から3カ月で障害認定日となりますので、特に初診から人工透析開始までの期間が短い場合、請求を忘れていても遡及して認定されますので、遡及分の年金を一括で受け取ることが出来る可能性があります。

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