うつ病・躁うつ病で障害基礎年金２級を遡及受給できた例

１　相談に来られた時の状況

この方はご主人の仕事の関係で転勤が多く、２０年程前から環境の変化と子育てのストレスで吐き気や食欲不振、動悸などが出現するようになりました。梅雨時には体調が悪くなり、内科を受診したところ、うつ状態と言われ薬の処方を受け２～３回通院しましが、転居や親の介護のため通院出来ず、母親の死を機に不眠や不安が増し、吐き気、食欲不振、動悸なども酷くなり、心療内科を受診しました。うつ病の診断を受け、薬の処方を受けましたが改善は見られませんでした。ご主人の転勤の度に転院し、薬の処方と通院を続けましたが、薬の量が増え、自傷行為を度々したり、錯乱状態で救急搬送され隔離病棟へ入院したりしました。時に高額な買い物をして借金を作ったりし、躁うつ病の診断を受けました。一日中家に閉じ籠りほとんど動けず横になりオムツを装着している状態で、日常生活全般を家族に頼っている状況の中、ご主人から当相談室に相談の電話があり後日ご自宅で面談しました。

２　当相談室の見解

一日中家に閉じ籠りほとんど動けず横になりオムツを装着している状態で、日常生活全般を家族に頼っている状況で、障害等級に該当する可能性が高いと判断しました。

３　サポート依頼を受けてから請求までにやったこと

（１）原因傷病である、初診日の確定に当たり、最初に受診した内科にはカルテは残っておらず、２番目に受診した心療内科に前医受診状況等証明書の記録が残っていたため、その内容を受診状況等証明書に記載頂き、また戸籍の附票を基に当時の住所と初診の病院の所在地などから、初診日が存在する期間を推定し、初診日を申し立てしました。

（２）診断書作成依頼にあたり、ご本人の日常生活を詳しく丁寧にヒアリングし、自己申告書をまとめました。

（３）上記の自己申告書と診断書記載要綱などをセットにし、医師に診断書の依頼をしました。

（４）病歴や就労状況等を時系列にまとめて病歴就労状況等申立書を作成し、請求手続きを行いました。