自閉スペクトラム障害で障害基礎年金2級を受給できた例

1 相談に来られた時の状況

この方は、幼少期からおとなしく友達もずっと出来ず一人でいる事が多く、高校ではいじめで不登校になり、通信制の高校に編入しました。大学に入学し一人暮らしを始めたものの、友人も出来ず大学にも行けなくなり、入学した年に退学しました。その後も人と接する事が出来ず、心療内科を受診させられたものの、医師と話をする事も出来ず、通院も中断し自宅に引き籠っていました。その後別の心療内科を受診したところ、自閉症スペクトラムとの診断を受けました。障害者枠で就職し、周囲の配慮もあり何とか仕事に就いていましたが、次第に業務が増えた事で、注意される事も多くなり、ストレスなどにより、動悸、不安、吐き気、憂鬱感などが酷くなったため休職しました。復職後は在宅勤務を命じられましたが仕事は与えられず、在宅明けには遠方へ転勤になり、うつ状態で出勤出来ず休職し、その後は復職出来ず退職しました。以降も就労出来ず、日常生活にも支障があり自宅では部屋にひき籠っている状況の中、当相談室に相談があり、その後ご自宅で面談しました。

2 当相談室の見解

部屋に籠り、人の居る所は苦痛で人とのコミュニケーションが取れず、通院時も医師とは最低限の質問に答えるだけで、日常生活全般において家族の援助がなければ困難な状況で、障害等級に該当する可能性があると判断しました。

3 サポート依頼を受けてから請求までにやったこと

(1)原因傷病である、自閉症スペクトラム障害の初診日を確定しました。
(2)診断書作成依頼にあたり、ご本人の日常生活を詳しく丁寧にヒアリングし、自己申告書をまとめました。
(3)上記の自己申告書と診断書記載要綱などをセットにし、医師に診断書の依頼をしました。
(4)取り付けた診断書の内容を確認し、出生から現在までの受診履歴や、就労状況等を時系列にまとめて病歴就労状況等申立書を作成し、請求手続きを行いました。

4 結果

障害基礎年金2級の認定通知を受け取る事が出来ました。

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