中度精神遅滞で障害基礎年金2級を受給できた例

1 相談に来られた時の状況

この方は生後から身体に障害があり成長が遅く、知的障害と診断され、療育訓練施設やこども病院で言葉の訓練に通い、小学校入学前まで児童発達支援センターに通っていました。中学校までは特別支学級、高校は特別支援学校に通い、卒業後はジョブサポートを付ける形で1年更新の契約で短時間の仕事を始めました。職場の方の理解があり、援助されながら何とか就労を続けられていますが、日常生活全般において母親の援助が必要な状況の中、お母様から当相談室に相談の電話があり、ご自宅で面談となりました。

2 当相談室の見解

ご本人はジョブサポートを付けるという形で就労されており、職場の方の支援がなければ就労困難な状況で、日常生活全般においても母親の援助が必要となることが多く、障害2級以上に該当する可能性が高いと判断しました。

3 サポート依頼を受けてから請求までにやったこと

(1)精神発達遅滞(知的障害)は、生来のものであり、初診日の証明も保険料納付要件も不要です。
(2)ご本人も同席の上お母様と面談し、日常生活状況等を詳細にお伺いし、特に定期的な受診はされていませんでしたが、近医の精神科で診断書を書いていただけることになりました。
(3)診断書記載要綱などをセットにし、医師に診断書の依頼をしました。
(4)取り付けた診断書の記載内容についての確認を病院に行い、さらにお母様とご本人から幼少時からの経過を詳細にヒアリングを行い、具体的なエピソードを織り込んで、発病から現在までの受診履歴や、就労状況等を時系列にまとめて病歴就労状況等申立書を作成し、請求手続きを行いました。

4 結果

障害基礎年金2級の認定通知を受け取る事が出来ました。

知的障害がある場合は、初診日は生まれた日とされ、初診日の証明は不要で、障害認定日は20歳に到達した日(20歳の誕生日の前日)となります。また保険料の納付要件は問われなくなりますが、2級以上に該当する必要があります。(知的障害があるかどうかは、IQの数値だけでは判断しないと障害認定基準に明記されていますので、診断書や病歴就労状況等申立書の内容が重要になりますので注意が必要です)

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