網膜色素変性症で障害厚生年金2級を遡及受給できた例

1 相談に来られた時の状況

この方は小学校から近視で眼鏡はかけていましたが、全く支障もなく生活していました。社会人になって、仕事中に1円硬貨が見えにくかったり、足元の引き出しやごみ箱に躓いたり、うす暗い階段から落ちたりした事もありました。徐々に夜間に物が見えにくくなったり、人にぶつかったりする事も多くなり、眼科を受診し検査したところ、網膜色素変性症との診断を受け、薬を処方され、4ヶ月に1回の通院をしましたが、その後、症状が悪化し、仕事にも支障が出てきた為、当時の会社は退職しました。その後別の職種に転職しましたが、その仕事にも支障が出たため退職しました。その後結婚し、ご主人の転勤もあり、その都度病院も変わりました。大学病院を受診しましたが、改善の見込みはないとの事で、薬の処方も受けず生活されており、視野の狭窄をかなり自覚されるようになり、日常生活にかなり支障が生じ苦労されている状況の中、当相談室に電話の相談があり面談しました。

2 当相談室の見解

日常生活にもかなり支障のある状況で、視力や視野の状態から見ても障害等級に該当する可能性が高いと判断しました。また、障害認定日時点でも障害等級に該当する可能性があると判断されたため、障害認定日の診断書も取り付け、遡及請求することにしました。

3 サポート依頼を受けてから請求までにやったこと

(1)原因傷病である、網膜色素変性症の初診日を確定しました。
(2)ご自分で診断書は取得済みでしたが、既に3カ月を経過しており、現症日を訂正するか取り直しをお願いしました。
(3)完成した診断書を確認したところ、訂正が必要な部分があり、訂正依頼を行いました。
(4)発病から現在までの受診履歴を時系列にまとめて病歴就労状況等申立書と初診日に関する調査票(先天性障害(網膜色素変性症等):眼用)を作成し、その他の必要書類を揃えて、年金事務所へ提出しました。

4 結果

障害認定日で遡及請求が認められ、障害厚生年金2級の認定通知を受け、遡及分も含め約600万の年金を受給する事が出来ました。また、結果が出るまでの間にお子様を出産されたため、加給年金の手続も行いました。今後病状の進行が予想されますので、その際は額の改定の手続を行う事になります。

 

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